朝夜

目が覚めると私は既にベッドの上に座っていた。


昨晩は酷く荒れた空模様で、多分、疲れ果てた私は横になることなく眠りについた。


目の前に飾られたソープフラワーが何時に無く輝いて見えたのは言うまでも無い。


気怠さの中に心地良さを感じる程であったが、視線を横にずらせば並ぶフィギュア達。


ソープフラワーとは真逆に、彼らは厭味ったらしく笑っているように見えた。


「愉快だな。」


彼らは言った。

ああ、そうか。それならソープフラワーだけがいい。


フィギュアを目のつかない場所に遠のけた。


それから朝食を錠剤や水銀と共に適当に済ませた私は、またソープフラワーへ向かった。


そこに一切の恐怖心が無かったとは言えない。

しかし、ソープフラワーはその殆どを緩和させてくれる唯一無二の存在だったと思う。


カーテンも開けずに再び私は横になった。


不安を残しながらソープフラワーを抱いて寝ようとさえ思った私を殴りたい。


睡眠は私をどこまでも拒む。


阿房臭いくらいに。